ファッションとして整えられ、準備されたもの。美しく身につけることができる服には、そういった狙いがある。服の面白さというのは複雑で、道具としての機能が結果的に魅力を放ってしまう、ということがある。物のオリジンに対する敬意。産業と歴史と地政の物語。実用と合理の機能美。この文章を熱心に読む人の多くは、共感してくれるだろう。今回、レショップが手がけたグラミチのパンツは、そういった、アンファッションな文脈の上に成立している。
グラミチの創業年は1982年。創始者はアメリカのロッククライマーであるマイク・グラハム。自身がクライミングにのめり込み、本当に必要だと思うウェアを作るために立ち上げた。当時クライミングのためのパンツはほぼ存在せず、股下のガゼットによって180度開脚できるアイデアは画期的で、その後様々なシーンで活用されるようになった。グラミチのパンツはこの仕様の影響で、ガニ股のようなシルエットで、それは独自の魅力になっている。
きっかけは、レショップに携わるデザイナーが持っていたパタゴニアのパンツ。それは裾にリブがついていて、その上で、ウエスト周りや股下のガゼットの仕様がグラミチに近似していた。
パタゴニアの創業者・マイクシュイナードはマイク・グラハムと親交があり、過去の資料に当たる中で、両者が協業していたことが明らかになった。
グラミチにも同じ形のパンツが存在していたという。そんな背景を汲みながら、削ぎ落としすぎず、一方で今身に付けやすいバランスで編集した。裾のリブ、適度にワイドなシルエット、ウェイビングベルトの仕様。それらは、今のファッションの価値観ではなく、歴史の中で一つ一つ構築されていったディテールだ。
このパンツはスタイルを想起させない。現代のファッションのスタイルの類型の中では、未知なるアイテムと言えるだろう。だが、ただ突飛なだけではなく、歴史の中で偶然編まれたルーツをまとっている。模範解答のないオーセンティックをどう取り入れるか。
ファッションの楽しみを拡張するような一本を、ぜひ試してみてください。
【GRAMiCCi / グラミチ】
_______________________________________
webstore 先行予約受付中
08.09 (sat) - release
_______________________________________
EX CLASSIC CLIMBING PT
17,050 yen (intax)
_______________________________________
弊社販売サイズ
1(001):1
2(002):2
3(003):3
4(004):4
_______________________________________
発売店舗
L’ECHOPPE青山店
L’ECHOPPE渋谷店
WEB STORE
_______________________________________