テーマは「やつし」
豊かで美しいものや気高い精神が、あえて簡素に貧しく姿を変えること。
コレクションの始まりは黄ベージュから
グレイ紫~最後に紺、黒のダークトーン。
色のせいか後半に向けて「やつし」の意味が深まるように感じる。
秩父宮ラグビー場という半野外の会場で、風になびく生地が美しく
一瞬、服というより一枚の生地が人にまとっている瞬間があった。
凝った先染めやブルーのプリントが印象的。
個人的にはポンチョ風コートとシルクのワンピースが好き。
「やつし」初めて聞いた言葉だったので調べてみると
茶の湯で「やつしの美」という言葉があった。
ぱっと見地味な姿の中に豪華絢爛な美がある、という意味。
目の前を通る生地、姿の中にどんな美があるのか、
想像をかきたてられたコレクション。
text:M.T