「おいしい博覧会2024秋冬」におけるみかん展
11月19日(火)に開催された「おいしい博覧会2024秋冬」において、日本のみかん生産量1、2、3位を誇る和歌山県、愛媛県、静岡県それぞれの一押しの品種が紹介されました。
和歌山県「蔵出しみかん」
みかんの生産量日本一を誇る和歌山県、中でも有田・下津地域におけるみかんの商業栽培の歴史は古く、400年以上前、紀州藩初代藩主の徳川頼宣公が、山がちな当地地域にみかん栽培を奨励し、保護したことが始まりです。下津地域はみかん圏内に土壁の蔵を作り、自然の力で甘みを増す「蔵出しみかん技術」
を生み出しました。蔵出しみかんとは収穫後1〜2ヶ月程度、貯蓄・熟成させることで酸味が和らぎ、非常に甘いみかんに仕上がっております。
愛媛県「紅まどんな」「紅かんぺい」「紅プリンセス」
愛媛県は年間を通じて温暖で晴れの日が多く、排水性も良いことから美味しいみかんを作る環境に恵まれています。愛媛県の中でも海岸線にそった傾斜地と瀬戸内の島々は、美味しいみかんの産地として有名で、傾斜地では西宇和地域に代表される石垣に覆われた段々畑が多くみられ、「空からふりそそぐ陽射し」「海からの反射光」「石垣からの照り返し」という三つの太陽により、美味しいみかんが作られています。
愛媛県独自に開発した3つの品種の柑橘を「紅コレクション」とし、統一のロゴが作られました。紅かんぺい、紅まどんな、紅プリンセスを合わせた3品種が「紅コレクション」となります。
紅まどんな
愛媛県オリジナル品種「南香」と「天草」を交配したミカンとオレンジの血を引く品種。11月下旬〜12月末に旬を迎えます。
紅かんぺい(甘平)
愛媛県オリジナル品種で「西之香」に「ポンカン」を交配して育成された品種。1月〜2月に旬を迎えます。かん」生産量・算出額は和歌山県、愛媛県に次いで、全国第3位とん」となります。一般的に「みかん」といわれる温州みかんは九州の長島地方で発生したとされていますが、静岡県では18世紀末〜19世紀初頭にかけて植えられたのが最初と言われています。明治に入り、清水、沼津、三ヶ日など県内各地に
栽培が広がり、全国的なみかん産地として発展しました。静岡県で生産されている温州みかんの代表的な品種としては、昭和20年代で静岡市で発見された「青島温州」や昭和50年代に沼津市で発見された「寿太郎温州」などが有名です。
今回出展された早生みかんとは、10月中旬から12月中旬が旬のみかんとなります。皮が薄く袋が柔らかいのが特徴です。果汁が多く、甘さや酸味のバランスが良く、コクがあります。また、令和6年3月6日付けで品種登録された温州みかん「春しずか」が開発されました。こちらは浮皮の発生が少なく、3月までの長期貯蔵後でも適度な酸味があり食味も良好で高い貯蔵性を持つそうです。
1日にみかん2個(200g)食べて健康で豊かな生活を過ごしましょう。
みかんの黄色の色素成分である「βクリプトキサンチン」は骨粗しょう症や肝機能を初め様々な生活習慣病の予防効果があることが明らかとなっており、様々な角度から研究が進められている成分となっております。また、表皮の裏にある白い綿状の部分と薄皮部分には「ペクチン」や「ヘスペリジン」が多く含まれています。「ペクチン」は水溶性食物繊維の一つで腸内環境を改善することで便通を整える働きがあり、「ヘスペリジン」は毛細血管を強化し、高血圧や動脈効果などを予防すると言われています。
また、みかんには「ビタミンC」が多く含まれており、成人の一日あたり推奨摂取量の約半分がみかん2個(Mサイズ)で摂取できてしまうとのことです。
みかんは発がん抑制、生活習慣病の予防、老化予防、肌の美容、風邪の防止など健康に良い様々な効能がたくさん含まれております。みかんを毎日たくさん摂取し、健康で豊かな生活を過ごしましょう。